親の意見となすび(茄子)の花は、千に一つの無駄もない

 

 

茄子にまつわる故事は意外に多い。人を罵倒するときにも使われる。「このボケ茄子」とは何とも口汚い。秋になり、茄子もいよいよ終期を向かえると、色のややぼけた茄子しかならない。その茄子を持ち出し、少々血の巡りの悪い輩(やから)や、相手の「どじ」を罵る(ののしる)言葉として使われた時代もあったそうな。

「嫁に食わすな秋なすび」とは、姑(しゅうとめ)の嫁いびりの定番。「秋に収穫する茄子は、実がしまって味が良く、嫁には食べさせたくない」という説がある。一方で「秋茄子は身体を冷やすとか、茄子には種が少ないので、子宝に恵まれないことを気遣ってからだ」との説もある。一体どっちやら、なんともややこしい。

「一富士二鷹三なすび」というのもある。数年ほど前に、NHKの大河ドラマで「元禄りょうらん」が放映されていたが、その時代は、徳川5代将軍綱吉。子宝に恵まれない綱吉は、生母・桂晶院の勧めで、綱吉が犬年生まれということから、「殺生が良くない」と、天下の悪法「生類哀れみの令」を作らせる。

一説によると、桂晶院は八百屋出身であったので、そのようなことを進言したという珍説も。そんなこともあってか、ある年の秋、野菜の価格が高騰した。それもたいへんな高値になったという。そんなことから高い物の例えとして、「一富士二鷹三なすび」というように、晴れて「高いものの」仲間入りと相成った次第。
 
「親の意見となすびの花は千に一つの無駄もない」とは、いささか教訓めいた言葉。これも茄子の着果率の高さを引用している。親の意見に無駄がないかどうかはともかくも、茄子の着果率が高いことからこのように例えられる。

着果率とは、「花が咲き、それが実になる確率」のこと。実際の茄子の着果率は3分の1くらいだといわれる。だとすると、親の意見もその程度ということなのかも。「親の権威が低下している」という昨今の風潮からすると、残念ながらもう少し低いかもしれない。というわけで、子供に説教するときは、ご用心、ご用心。

 

 

 

 文責:福岡大同青果(株) 営業促進部 部長 寺田秀三

福岡大同青果(株)は福岡市中央卸売市場青果市場の卸売会社で、農林水産大臣から卸売業務の許可を受けています。福岡市場の開設者は福岡市役所。取扱金額は約560億円、数量は約30万トン。福岡都市圏の約220万人へ青果物を供給する市場です。

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コメント: 1
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    Timmy Ek (木曜日, 02 2月 2017 21:49)


    Hey very nice blog!