鮮度

 

 

 

 

「アグリコラボいとしま」と題した第一回目のワークショップ。暑かった夏の余韻を十二分に残した924()、九州大学伊都キャンパスで開催されました。主催者は糸島農業産学連携推進協議会という、少し堅そうなネーミングの団体。

糸島郡志摩町でハーブを栽培している久保田さんは、日本農業大賞天皇杯を受賞されるほどの凄腕。福岡県内はもとより、全国的にも有名な生産者です。この協議会の会長である久保田さんとは、二十年以上の付き合いをさせていただいているというご縁から、私も話題提供者として参加させていただきました。

テーマは「鮮度保持」ということで、生産者、流通業者、消費者、研究者の四者がそれぞれの立場から「鮮度」について意見を述べ、それに対して参加していただいた皆さんから質問などを頂戴し、問題を考えていこうという趣旨でありました。そこで鮮度について。  

青果物の鮮度を考えた場合、収穫時を100とすると、その後は必ず低下します。原因の一つ目は呼吸作用。収穫後は水分や養分の供給はないのに呼吸作用だけが活発に続くので、品質劣化が進むのです。なかでも鮮度劣化が激しいのがスイートコーン。市場では、収穫した翌朝に卸売しますが、その日の内に小売店で販売してもらわないと鮮度劣化が進みます。「ブロッコリー・ほうれん草・アスパラガス」なども呼吸作用の影響を受けやすい野菜。「じゃがいも・玉葱・さつまいも・にんにく」などの土物類は呼吸量が少ないので鮮度劣化は少ないようです。

二つ目は蒸散作用。野菜は約9割が水分なので、重量的に3~5%の水分が失われると葉に萎れ(しおれ)がでます。さらに進むと色が変わる等、目で見て分かる状態になります。

三つ目にエチレンという気体の植物ホルモン。果実に多いのですが、リンゴが出すエチレンガスはキィウイの熟度を進めます。輸送するときや保管するとき、青果物の組み合わせが悪いと熟度が進み、過熟させてしまうことがあります。というわけで、「呼吸作用・蒸散作用・エチレン作用」の三点が「鮮度保持」の大きなポイント。

もうひとつありました。収穫後の野菜は横にすると上に立ち上がろうとします。人の手により土から離されても、なお成長しようとします。そこで、成長点が上を向くように、段ボール箱の中に立てて収納し、そのままの状態で輸送・保管することが望ましいのです。青ねぎや軟弱野菜である「ほうれん草・シュンギク」なども立てて輸送し、市場の冷蔵庫でも立てて保管します。仙台に「曲がりねぎ」という白葱がありますが、あえて曲げることで旨みを引き出す栽培方法もあります。

野菜の生理活性や蒸散作用、成分変化などは低温によって効果的に抑制されますが、野菜の中には、低温によって変質、腐敗などの低温障害が発生するものがあるので要注意。「ジャガイモ・サツマイモ」などの土物、生姜は風邪をひくといわれますので、常温で保存してください。バナナも冷蔵庫に入れたら風邪をひきますゾ。